トレーニング紹介!

  • 自転車競技部
  • at 2015/3/30 23:03:33

こんばんは!大学院修士課程新2年の山口大貴です.
最近の鹿児島気温は高く,半袖でトレーニングする選手が増えてきました.だんだんとシーズンが近づき選手のモチベーションも高くなっております!!

さて,今回は1月25日の紹介に引き続き,3月28日に行った神川ビーチでの砂浜トレーニングを紹介します.
先日の神宮クリテリウム,報告会においてビーチでの練習どんなことしているの?と話したことがきっかけで書くことにしました.参考になるか分かりません.
加えて雑文,見にくい図かと思いますがご了承ください.


【はじめに】
自転車ペダリング運動は,下肢の関節の伸展・屈曲によって行われます.大きな踏力をペダルに伝えることで高い速度を生み出します.これまで,下肢の関節運動について多くの研究がされてきております.以下研究紹介.

下肢三関節の中で最も大きなトルクを発揮する関節は股関節であること(図子,1998).また,ペダリングの加速局面に着目した研究 (船渡,1992)や,ペダリング運動中のパワー発揮に注目した研究(木越,2003)では,股関節伸展筋群の貢献度が大きいことや股関節伸展筋群を強化させることが重要である.など様々な研究において「股関節伸展」の重要性が示されております.以上のことから股関節の伸展筋群を強化することは自転車競技選手において重要な事であります.実際に鹿屋の短・中・長距離の全ての選手が,ウエイトトレーニングで股関節周辺を強化するトレーニングを行っております.
さらに,クランクの回転速度が高くなるにつれて股関節屈曲トルクが必要であるという研究(船渡,1992)や,指導現場において膝を上下に動かすように指示する(佐藤ら,2014)こと,また,腿の引き上げを意識した時,機械的ペダリング効率が高くなったという報告があるように股関節の伸展に加え屈曲運動も重要であることがわかります.

そこで,私は費用がかからずみんな同時に股関節の伸展・屈曲動作を強化できるものはないかな?と考えた結果,鹿屋の大自然の一部,砂浜を利用してみよう!!と思ったのです.


【トレーニング】
今回は,ロードで大学出発し(ウォームアップを兼ねて)大学から約30分かけて神川ビーチへ向かい,砂浜トレーニングを行いロードで帰ってきました.

ビーチでトレーニングを行う目的は,股関節の伸展・屈曲の強化です.砂浜で走った経験のある方は理解できると思いますが,砂浜は通常の地面とは異なり強く踏めば踏むほど崩れるため地面を蹴って歩幅をかせぐことが出来ません.通常の地面では強く地面を蹴りきれるために滞空時間が長いのに比べ,砂浜では滞空時間が短くならざるを得ません.そこで選手は,すり足のように地面から足を浮かすことなく走るフォームが求められます(図1上).地面をキックした際に膝を折りたたまずに直接的に全方へ持ってくるフォームは,強大な股関節屈曲力を必要とします.このような走りを意識し,ビーチフラッグスやショートインターバル(折り返し走)を行いました.船渡らの研究を参考にすると,クランクが高い回転速度に達した際において今回のような練習は特に効果を発揮するのではないかと思っております.また短距離選手のハロンにおいて約150回転前後のケイデンスになることが報告されていることから(太田ら,2011),私たちの行っている往復走のショートインターバルにおいても,なるべくピッチが落ちないような距離(40m)で行いました.きつい場面でもジョギングみたいにならないように注意しています.
余談ですがこの走法は,ライフセービングのスプリントにおいても成果を挙げているようです.

上記のように砂浜を走るものに加え,ジャンプ運動やスキップを行いました.内容は,図1下と図2を参照ください.接地脚を逆脚が追い越す時にスイングを強調させたスキップ,地面を最後まで押し切らずにジャンプし脚を胸に抱え込むことを意識した両脚五段跳,立位の状態から水平方向への距離を競う立五段跳,片脚で踏み切り,その後すぐに脚を前に持ってくる五段ホッピング,正座の状態から脚を抱え込む起き上がりでした.
ジャンプ補強は負担が高いので故障のリスクを考えましたが,砂浜は地面からの衝撃が少ないので関節に対する負担も少ないので故障なく追い込めました.


実際の帰りのロードでは,脚がどんどん上がってくる‼と新2年の高田奈生.練習中に,以前より慣れてきて対応できるようになりました!!と新3年の安本昇平が話し,またやりましょうよと新4年の奥村諭志のコメントでした.更に翌日,新1年の釘尾真幸は筋肉痛がひどいですと話していました. 私は現在も靴下を履くのに一苦労.
練習後はマットを出してセルフケアも行いました.


このような練習で股関節屈曲・伸展を強化し,少しでも自転車に活きるトレーニングになればと思っております.長々となりましたが,これで終わります.今後もトレーニングを工夫していきたいと思います.

【参考】
・太田洋一ら(2011) 自転車競技の発走機を用いたスタートにおける体幹および上肢のキネマティクスとパフォーマンスの関係.トレーニング科学
・木越清信(2003)短時間の全力自転車ペダリング運動における座位姿勢の相違が筋活動および最大パワーに及ぼす影響.体力科学
・船渡和男(1992)クランキングによる自転車ペダルへのパワー発揮.日本バイオメカニクス学会
・陸上競技マガジン2013年3月号
・図子浩二ら(1998)筋収縮の違いからみた下肢三関節のトルク

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